よい睡眠と腸内環境
あなたにとってよい睡眠を手に入れるためには、腸内環境を整えることが大切になります。
この記事では、その理由や方法についてお話していきます。
腸内環境がよいと、なぜ睡眠の質が高まるのか?
厚生労働省が発表したデータによると、成人の5人に1人が睡眠に問題を抱えているといいます。
この数字は症状がある方のもの。
自覚症状がない方も含めれば、実際はもっと多い数になるでしょう。
- 眠りが浅い
- 寝つきが悪い
- 寝ても疲れが取れない
など、これらの悩みは睡眠不足というだけでなく、熟睡できないことから生じるものです。
このような身体の状態を医学的には『緊張型睡眠』と呼びます。
身体の状態としては、自律神経がのバランスが崩れ交感神経が優位な状態になり、睡眠不足になっています。
ではどうすれば、寝入りの90分も含め、リラックスした状態でぐっすり眠ることができるのでしょう?
ここで重要なポイントとなるのが『腸内環境』なのです。
患者さんに、このような話するとみなさん『なぜ?』という表情をされます。
たしかに腸内環境は目に見えるものではなく、日常生活の中で自分の腸の状態を把握するのは難しいでしょう。
しかし、腸は血液をつくるといった大切な仕事をしており、毎日のコンディションが大きな影響を与えます。
腸の状態がいいと、全身に新鮮な血液が流れ、栄養や酸素を身体の隅々まで届けてくれます。
反対に腸の状態が悪いと、全身に血液が届かず細胞は栄養不足状態に。
こうなると、生活習慣病を引き起こす原因にもなってしまいます。
そして腸の動きをコントロールするのが自律神経。
最近の研究では、腸内環境を良くすると自律神経が整いやすくなることが分かってきました。
すなわち、腸内環境を良くすることで、自律神経のバランスが取れ、副交感神経が優位な状態が作りやすくなります。
このように腸内環境と睡眠委は、大きな関係があったのです。
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熟睡モルモンは腸で作られる
あなたがより良い睡眠を手に入れるためには、寝入りの90分をいかにスムーズにするか。
このことが重要になります。
スムーズに寝入るためのポイントとなるのが、副交感神経をいかにあげるか。
そして熟睡モルモンである『メラトニン』を活性化させることが大切になります。
別名『熟睡ホルモン』とも言われるメラトニンは、セロトニンというという脳内物質から作られます。
そして、このセロトニンの大半は、実は脳ではなく腸の壁(腸壁)で作られているのです。
だからこそ、腸内環境を整えることが大切になります。
私たち人間のメンタル(うつや幸福感)に関わるホルモン(ソロトニンやドーパミン)の約95%は腸壁で作られていて、のうないからの分泌は数%しかありません
腸内環境をよくすることで、幸せホルモンが多く分泌され、深い眠りにつけるようになります。
良い眠りには、質のよい血液を
質の良い新鮮な血液を作り出すのも、腸内環境です。
わたしたち人間の身体は、食事から栄養分を吸収し、その栄養を含んだ血液を全身い届けることで、身体を構成している細胞(37兆個)を活動させ生きています。
しかし、腸内環境が悪化すると口から入れた栄養素が滞ってしまう状態となります。
こうなると血液の質が急激に悪化し、血流も滞ってしまいます。
ちょっと説明が難しかったので、似たような状態を例に説明します。
あなたもご存じであろう、エコノミー症候群をイメージしてください。
身体を適度に動かさない状態がつづくと、全身の血流が滞り悪くなります。
これと同じ状態が腸に発生すると、腸内の血流が滞り悪くなってしまうのです。
つまり腸内環境を良くすれば、疲れやストレスが溜まったままの状態ではなくなります。
こうなると、疲れやストレスを溜め込まず熟睡できる身体となるため、健康的な身体となります。
すなわち、質の良い血液が循環する身体は、毎日が良い睡眠となるのです。
朝起きたら1杯の水を
患者さんに1日の食事の内容をお聞きすると、こんな答えが。
『朝は忙しくて、目覚めのコーヒーだけなんです』
朝が忙しいのはよく分かるのですが。。。
これでは腸内環境にも睡眠委とっても良いことはありません。
腸内環境を整え、ゆっくりぐっすり眠るためには『朝起きてすぐに、コップ一杯の水を飲むこと』が大切です。
えっ、そんなことで腸内環境がよくなるの?と思うかもしれません。
でも、こんな地味な習慣が、実は大きな意味を持つのです。
最近は『腸活』などという言葉も流行り、腸を元気にする食べものや情報があふれています。
しかし腸内環境にとっては、まず朝に1杯の水がベストな方法。
これは医学的にも効果が証明された方法なのです。
例えば、朝水を飲むことによって、こんな効果が。
- 眠っていた間に濃くなった胃酸が薄まる
- 胃酸が薄まることで朝食の消化吸収がよくなる
- 寝ている間に水分が失われドロドロになった血液に水分を補給できる
- 水分が補給された血液は、サラサラな状態になる
- 水を飲むことによって胃腸が動きやすく(胃結腸反射)なる
- 水で胃腸が動く事で便意が誘発される
ざっとこれだけの効果が期待できます。
朝起きた時にコップ一杯の水、この習慣を身につけるだけで、腸内環境だけでなく便秘も改善そして自律神経も整いやすくなります。
さぁあなたも明日から、朝起きたらコップ1杯の水にチャレンジしてみましょう。
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水は量よりも、こまめに飲むことが大切
腸内環境が悪そうな患者さんの検査結果を分析すると、水を飲まない方が非常に多いです。
この話をすると、たいていの方は意外な表情をされますが、実はここに大きな落とし穴が。
あまりにも仕事が忙しかったり、強いストレス状態だと、水を飲むことさえ後回し(めんどう)になっている方が多いのです。
朝起きて1杯の水を飲む以外にも、1日1~2リットルを目安にこまめに水を飲むようにすると、自律神経の働きが高まり身体が元気になります。
最近では、水の重要性が浸透してきているからか、1日2リットルを飲む方も増えています。
しかし大切なのは『水の飲み方』なのです。
水は、のどが渇いた時だけ飲めばいいというものではありません。
例えば、こんなタイミングでも水を飲むようにしましょう
- 理不尽な出来事にイライラしたとき
- 過度なストレス状態
- 緊張したとき
- パニックになりそうなとき(慌ててしまいそうなとき)
こんなタイミングで一口でもいいので、水を飲むことで、心が落ち着き自律神経が安定しやすくなります。
これは水を飲む行為が、胃腸を動きやすく(胃結腸反射)して、副交感神経の働きが高くなるから。
水分を取るときの理想的なイメージは、こんな感じです。
- 眠っていた間に濃くなった胃酸が薄まる
- 胃酸が薄まることで朝食の消化吸収がよくなる
- 寝ている間に水分が失われドロドロになった血液に水分を補給できる
- 水分が補給された血液は、サラサラな状態になる
- 水を飲むことによって胃腸が動きやすく(胃結腸反射)なる
- 水で胃腸が動く事で便意が誘発される
さらに
- 朝起きてすぐにコップ1杯の水
- 仕事の合間
- のどが渇いたとき
- 仕事が立て込みそうな時
- 休憩のたびに
- イライラしそうになったとき
こんな感じで、量よりもこまめに水を飲む
その合計が1日1~2リットルこんな一日が理想です。
たかが水、されど水。
水をこまめに(ここがポイント)に飲むことで、心も身体もそして睡眠も最適な状態になります。
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私も実践、お酒を飲むなら水も一緒に
寝入りの90分の質をたかめ、ぐっすり眠るためには『アルコールを控える』
これは医学的にも大正解なのですが。。。
それでもやめられない(セーブ)できないのも、またお酒だったりします。
私もお酒が大好きで、毎晩のように晩酌を楽しんでいますが、眠りが浅くなることは少ないです。
その理由をここでは、お話します。
お酒好きの人に『いつも自制しろ』というのは、それ自体がストレスになってしまいます。
・たまには羽目を外して、お酒を楽しみたい
・忙しい毎日のリフレッシュとしてのお酒
そんなこともあると思います。
そして楽しく適度に味わうお酒には、副交感神経の働きを活発にする効果も。
こんな楽しいお酒を楽しむ、私も実践している『とっておきの方法』があるのです。
その方法とは、お酒を飲む前に、まずは1杯水を飲み、飲んでいる合間にもお酒と同量の水を飲むという方法。
こうすることで、こんな効果が。
・アルコールによる脱水症状の防止
・自律神経の乱れによる悪酔いや二日酔い
これはアルコールが体内で、分解し解毒される家庭で使う水分を補えるから。
そして飲酒による脱水症状は、血管にダメージを与えますが、それも防ぐことが出来ます。
お酒を飲みすぎると気持ち悪くなって吐いてしまう事がありますが、これは消火器の働きをコントロールする副交感神経が急激に低下し、腸が麻痺して動かなくなるから。
お酒を飲みながら水を飲むと、腸の動きを止めることまでも防げます。
酒飲みには、ちょっと味気ないイメージでしょうが、慣れれば普通になりますよ。
ぜひ、今夜の晩酌から、お酒の脇にお水を用意してみては、いかがでしょうか。
よい睡眠のための『朝食のすすめ』
腸内環境や自律神経を整えるためには、1日3食をきちんと摂ることが大切です。
なかでも朝食は大きなカギを握ります。
なぜなら朝食には、腸を動かすという意味だけでなく『時計遺伝子』を活性化してくれる働きがあるから。
時計遺伝子とは、自律神経のバランスをコントロールし、ホルモンの分泌を正しく行うなど、わたしたちの身体を健康に維持するために、なくてはならない存在です。
最近の腱きゅでは、この時計遺伝子は夜の熟睡をコントロールする体内時計を管理していることが分かってきました。
そして時計遺伝子を活性化するには、朝食の摂り方がもっとも重要になります。
朝食のメニューに理想の形はあるのですが、とかく朝が忙しいのが現代人。
なので、ここでは何を食べるか?ではなく、朝食を食べる習慣をつくることを強くお伝えします。
朝食は金メダル、昼食は銀メダル、夕食は銅メダル
そんな言葉があるくらい、腸内環境や睡眠にとって大切なのが朝食なのです。
熟睡のための寝る前5分ストレッチ
本書でくり返しお伝えしていますが、よりよい睡眠をし自律神経を整えるために大切なのが『血流』です。
そして、寝る前に全身くまなく血流をよくするか?
このことが熟睡には大切なポイントとなります。
血流を良くするのにオススメしたいのが、ストレッチ。
この話をすると『寝る前に身体を動かすのは大変』そんな言葉が聞こえてきそうですが。。。
なにも本格的なストレッチをする必要はありません。
寝る前に5分でいいので、軽めのストレッチをしてみましょう。
このたった5分を続けていると、熟睡だけでなく、翌日の仕事のパフォーマンスさらには免疫力までアップするのです。
- 仕事が忙しく、いつも寝不足
- 眠りが浅い
- なかなか寝付けない
こんな悩みがある方こそ、ぜひ5分ストレッチをおこなってみてください。
どんなストレッチをすればいいか?
オススメのものはありますが、それが絶対の正解ではありません。
ひとそれぞれ、気持ちいいストレッチの種類は違ったりします。
肩回りをのばすと気持ちいい方もいれば、ふくらはぎや足を中心が心地よい人も。
なので、あなたが気持ちいいと思える内容で、5分程度のもの。
YouTubeなどで『5分ストレッチ』などと検索すると、多くの動画が見つかると思います。
自分好みのスタイルのものを毎日続けてみてください。
深呼吸で熟睡スイッチを入れよう
『ゆっくり深呼吸』こんな習慣が身につくだけで、あなたは熟睡できるようになります。
呼吸をゆっくりすることで、首にある感覚センサーが反応し、副交感神経が優位になります。
さらに酸素が体内に多く入ると、睡眠神経が刺激され熟睡モードになるばかりでなく、寝ている間に細胞の修復力も高まります。
このように良いことだらけの深呼吸、ぜひこんな流れで実践してみてください。
1. ベットで仰向けになり、全身の力を抜いてリラックス
両手は身体の横にして、目を閉じて全身の力を抜きましょう
2. お腹(みぞおち)に手をあて、鼻から息を3秒吸う
鼻からゆっくり2~3秒かけて息を吸いながら、お腹が膨らんでくるのを感じます
3. お腹(みぞおち)をへこませながら、6秒かけて息を吐く
お腹(みぞおち)をへこませながら、口から4~6秒かけて息を吐き出す
この時、呼吸は無理をしないこと。
そして深呼吸を5~10回くらい行いましょう。
こうすることで、流れが悪くなっていた血流がよくなり、全身に血液が流れ始めます。
その心地よさを感じながら、眠りにつく。
こんなスタイルで、寝入りの環境をつくってみてください。
逃げ道を必ず用意しておこう
これまで自律神経と睡眠について色々とお話してきました。
医学的な理由や熟睡のためのテクニックなどをお伝えしてきましたが、本書の最後に一番大切なことをお伝えしたいと思います。
それは『必ず逃げ道を用意しておく』ということです。
なぜこんな事が大切かというと。
それは自律神経を乱れさせ熟睡できなくする大きな要因が『ストレス』だから。
ですから、もしあなたがストレスに襲われ眠れないとき。
ぜひ、あなたにとって一番楽しいことをイメージする『逃げ道』を用意して欲しいのです。
最近は、瞑想がブームになっていあんすが、頭の中を空っぽに。
これはなかなか難しいという方が少なくありません。
それならば、空っぽではなく、楽しいことで頭の中を埋めつくしてしましましょう。
落ち込んだとき、疲れたとき、一人で部屋にじっとこもっていては逆効果です。
ますます気持ちが滅入り、血流が悪くなり副交感神経も低下。
その結果、不眠という負のサイクルにハマってしまいます。
だからこそ、気持ちがちょっとだけまぎれる、そんな場所や方法。
すなわち、逃げ道をたくさん用意しておいて欲しいのです。
- お気に入りのカフェ
- 本屋をブラブラ
- 自分にご褒美のマッサージ
- ドライブや釣り
などなど、自分が夢中になれる(時間を忘れられる)そんな場所やほコトをたくさん用意し、お守りにしてポケットにしまっておいてください。
そんな小さな余裕が、あなたの寝入りをスムーズにし、あしたの笑顔を取り戻してくれます。
今日からでも、あなたのお守りを増やしてみませんか?